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2014.08.27

戦前の、デング熱の情報を探してみる

日本で、実に70年ぶりのデング熱患者というニュースを見てびっくりしてしまった。戦争体験記を読んでいるとよく出てきた病気だからだ。

デング熱は第二次大戦中の日本でも、南方に行った兵隊さんは多く罹患したらしい。私の好きな、「さようなら 十度海峡」という戦争体験記を載せられているページがあるのだが、ここでもデング熱にかかる話が出てくる。
実際、兵隊として南方に行かれた色々な方々の手記を見ると、大抵の人は南国に行ってすぐにデング熱にやられるようだ。40度近い高熱が出るものの、命に関わることは滅多に無いため、軍医も「またか」という感じでろくに相手もされなかったらしい。

デング熱の特徴は発症直後のこの高熱と、さらにいったん小康状態になった後にもう一度発熱すること。これを「M字型」の熱型と呼ぶらしい。実はこの辺の情報は、やはり発症例が多くあった戦前の書籍に詳しく書かれている。やはり当時の人々も南方のことが気になったのであろう、マラリヤやデング熱の情報は専門の医学書から生活ハウツー本的なものまで幅広い。

ありがたいことに、この頃の戦前の書籍は、国立国会図書館の「近代デジタルライブラリー」でWebから自由に閲覧できる。皆さんも探してみると面白いと思う。ざっと「デング熱」で検索してみても、以下のように専門書の記述が色々と見つかった。

*台湾軍軍医部「熱帯衛生並に熱帯病提要」大正11年
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/934849/77

*入沢達吉 監修「内科学. 第1巻」昭和8年
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1051315/186

というわけで、国立国会図書館の「近代デジタルライブラリー」が面白い、という結論。

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2014.08.12

「なかよし」のピンホールカメラと、Nikon D90で試し撮り

講談社の女子小学生向け雑誌「なかよし」の2014年9月号の付録が、なんと35mmフィルム使用のピンホールカメラらしい……!
という噂をカメラ仲間や変デジ研究所さんの記事から聞きつけ、カメラおじさんとしても、どうしても気になってソワソワしていたここ数日。

前の本の仕事をしてからしばらくカメラ関連はスランプで、ここ最近はシャッターを切ることも全く無かったので、リハビリになるかなーと入手してしまいました (^^;)。

が、さすがに恥ずかしいので奥さんと一緒に本屋に行きました(^^;)

いやしかし、小学生にフィルムカメラを使ってもらうのはとても良いことだと思いますね。デジタルカメラと違ってフィルムカメラは中身の構造を見れば、カメラの仕組みも一目瞭然で学習用としても優れています。

これ、小学生雑誌の付録にしては、きちんと「カメラ」しています。スプロケットが無いので巻き位置もかなり手探りですが、これが580円の雑誌の付録と聞けば「よくできてる!!」という感想しか持てませんね。
フィルム背面の圧板もちゃんと付いてるから、観察眼の優れた小学生ならばこの板と平坦制確保の秘密にも気がつくのでは無いでしょうか。

大きさはこのくらい。分かりやすいように、ヤシカマット124Gと並べてみました。

シャッターは、王冠飾りを上に引く形で開けます。なおちょっと引いただけではひっかかりがあって半開きとなり、もう一段階開く必要がある感じがします。

さて、さっそく撮ってみよう……と思う前に、ふとピンホールカメラならデジ一のレンズ前にかざせば行けるのでは? と思いおもむろにNikon D90のレンズを外します。


こうやって、レンズを外したD90の前にピンホールカメラをかざせば、何かしら映るのでは無いでしょうか。


とりあえずNikonのWebページを液晶ディスプレイで表示して、撮ってみましょう。ああ、そろそろD90からD7100に買い換えたい……。


おお! 5秒/ISO 800ですが、きちんと撮れています。

付属の冊子も、プロのカメラマンが編集に入っているようで、多重露光や長時間露光(歩道橋で15分)に挑戦してみようとか、小学生相手になかなか容赦が無くてステキです。
というわけで、ピンホールカメラと聞いてピンと来るおっさんは、なかよしを買いに書店に走りましょう。

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2014.08.02

現代美術館:ワンダルフワールド

夏休みを取っていたので、東京都現代美術館を見てきました

企画展は、ミッション[宇宙×芸術]展と、ワンダフルワールドの2つ。ワンダフルワールドは「こどもといっしょにたのしもう」という企画で、実際あちこちで子どもが遊び回っていて面白かったです。
特に良かったのが、クワクボリョウタ氏の「10番目の感傷(点・線・面)」。暗い部屋の中、ライトを付けた小さな模型列車がゆっくりと進んで行く……だけなのですが、道中にある様々なモノが美しい影絵となって壁に映し出されます。

ご本人がYouTubeに投稿されている動画もあるようです。
The Tenth Sentiment / 10番目の感傷(点・線・面)

いやー、良い作品でした。またぜひ見たいです。
A

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